あさぴーのおいしい独り言

石川を中心に西日本のグルメネタを気ままに書きます。(ご注意)あくまでも主観で書いていますので何かありましても責任は負いかねます。参考にされる場合はご留意を。また内容は訪問当時に知り得た情報(ネット含む)をもとに書いています。なお、コメントは承認後にアップしており、不適切な内容はアップをしませんので、あしからずご了承願います。

タグ:数馬酒造


元日に発災した能登半島地震。能登の伝統産業にも大きな被害が出ています。

珠洲では珠洲焼、輪島では輪島塗など、よく知る工芸品以外にも多々あると思いますが、早く元のようになることを祈っております。

我が家には輪島塗の食器が何点かあります。輪島塗は手入れが難しいイメージがありますが、それほどでもなく、ハレ以外の日常遣いでも活躍してくれています。

さて、輪島塗の作家さんの中にも有名な方がいらっしゃいます。そのお一人が塗師の赤木明登さん。文筆家や美食家でも知られていて、また、妻の智子さんもエッセイストとして著名です。

そんな赤木明登さんが昨年輪島市の山中、旧門前町エリアにオープンしたのが日本料理オーベルジュ「茶寮 杣径」。

建物は著名な建築家中村好文氏が手掛けていて、一日一組だけの宿泊者を受け入れています。赤木明登さんの輪島塗などの器と、地元の食材を使った日本料理という贅沢な組み合わせを楽しむことが出来るオーベルジュとして知られていました。

しかし、ご存じの通り地震による被害で現在は営業休止になってしまい、そんな中、手を差し伸べたのが彦三町にあるお茶屋Bar「金沢 紋」です。
金沢 紋 (9)

ちょうど貸し切り営業になっていたことから、3月31日まで「茶寮 杣径(そまみち)」の味を「金沢 紋」の素敵な空間で味わうことが出来るという期間限定コラボが実現したわけです。

ちなみに期間については復旧までの仮営業といことで4月以降も延長になっているかもしれません。お店の方の確認を。

今回、赤木智子さんのファンでもある我妻が、ハレの日を祝うためにディナーをご馳走してくれるということで、こちらを予約してありました。

建物は300坪の敷地に明治時代に建てられた一軒家。内部は素敵にリノベーションされています。
金沢 紋 (10)

中に入るとギャラリーになっていて、赤木明登さんの作品を見ることが出来ました。
金沢 紋 (2)
もちろんその場で買い求めることもできます。

金沢 紋 (13)

そして2階が、元々カフェだったスペースで、そこを使って料理を楽しむことが出来るようになっていました。
金沢 紋 (12)

「茶寮 杣径」の料理長は小松市出身の方。私は10年半ほど前に金沢木倉町で彼がやっていた「六味一滴」というお店に行ったことがあります

窓からは立派な庭と浅野川。
金沢 紋 (15)
こちらの方には主計町や浅野川大橋を望むことが出来ました。


ただ、ある意味間借りのスペースだったので、サービス面ではやりにくさを感じました。

では、この日の料理と飲んだお酒について紹介していきます。
金沢 紋 (20)

最初の一杯がお店のサービス。こちらの日本酒が出されました。
金沢 紋 (21)

私は最初の一杯はビールがいいと思い注文。

まず出てきたのが先付けで、イイダコと紅芯大根と、生薬として知られるカンゾウ。
金沢 紋 (23)

銀杏の生地を極限まで薄く挽き、拭き漆で仕上げてある器で、持ってみると超軽量。もちろん赤木明登さんの作品で素晴らしいです。

イイダコは超柔らかくて滋味あふれる味付けでした。

お造りの1品目は高台の磁器に入れられて出てきました。
金沢 紋 (29)
ナメラの昆布締め。かぶらとプンタレッラ添え。プンタレッラはチコリの仲間でカタローニャのイタリア野菜の新芽のことです。


上品な昆布締めで、しっかりとした食感のナメラ。白醤油で食べさせてくれています。

お造りの2品目は、朱塗の丸盆に置かれれて出された「タイラギ サヨリの酢味噌掛け」。
金沢 紋 (31)
サヨリの下にタイラギ貝が隠れています。酢味噌は酢が控えめでした。

金沢 紋 (36)

椀物はバイ貝酒蒸しで七尾産のもち米を使った玄米餅と菜の花、白いんげん豆が添えられていました。

この後、肴が3品出されます。
金沢 紋 (38)

最初は「メジマグロのコンフィに葉ニンニク」。脂が乗ったメジマグロにほんのりと燻製の香りづけ。そして紅くるり・イチゴ・ビーツが添えられています。
金沢 紋 (39)

陶芸家松本かおるさんのレンガのような焼き物の器には「春のとう葉とりどり 富山湾ホタルイカ そら豆」。こんかさばのピュレとリコッタ添えです。

3皿目は肉料理で「牛すね肉の煮込みと熟成じゃがいも ふきのとう」。
金沢 紋 (41)

禅宗の修行僧が使う応量器のような朱塗りの器に入れられていました。
金沢 紋 (43)

ご飯は「ガスエビのあられと芹のごはん」。ガスエビの天ぷらが乗せられていて上品な仕上がり。美味しいです。
金沢 紋 (44)

味噌汁は田舎味噌仕立てで、かじめと青菜が具材でした。
金沢 紋 (45)

最後のデザートは「いちご 金柑 紅はるか 粒あん」。ハレの日のデコレーション付きです。笑

では、こちらで頂いたアルコールについても触れていきます。

「茶寮 杣径」でのお酒は瓶ビールとワイン、そして能登の日本酒が中心でした。

しかしながら、ご存じの通り奥能登の酒蔵は地震で酒造りが不可能になっているため、安定した入手が難しく、今回は、幸いまだ残っている能登の日本酒を楽しむことにしました。
金沢 紋 (28)

まずは輪島の白藤酒造の特別純米酒。
金沢 紋 (35)

こちらは珠洲の数馬酒造の「竹葉」。昨年秋に私もお邪魔したばかりでしたが、現在は白山市の車多酒造の設備で酒造りしていて、こちらがその新しいボトル。特別純米酒です、

最後には、「茶寮 杣径」のオリジナルで赤木明登さんご自身が輪島の白藤酒造と一緒に作った日本酒。生酛作りで特別純米の無濾過生原酒も飲んでいます。

こちらは19度とアルコール度数が高めなので、最後に頂きました。すごく個性があるというかうま味をダイレクトに感じるお酒でした。

洗練された器と料理を、素晴らしい席で愉しむことができたので満足でした。なお、料金は料理のみで一人2万円だったようです。

オーベルジュ「茶寮 杣径」が一日も早く復活されますことを祈っています。ご馳走様でした。

金沢 紋
石川県金沢市彦三町1丁目9-12
TEL 076-234-0153
茶寮 杣径
石川県輪島市門前町内保コ30
※ランチとディナーを提供
予約はこちらのインスタからⅮⅯ



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その時宿泊したのが能登町の民宿だったので、夕方と朝方にその近くを駆け足で巡ってきました。

最初に紹介するのが「縄文真脇遺跡」です。

能登町真脇エリアは、縄文時代前期(約6,000年前)から晩期(2,300年前)までの約4,000年間、人々が住み続けて繁栄した全国でもまれにみる長期定住型遺跡で、国指定史跡となっています。

実は、ここへは30年ほど前、縄文真脇温泉を建築しているとき、象設計集団のワークショップに参加したことがあり、懐かしい場所なのです。

当時とはだいぶ変化していてきれいになっています。
真脇遺跡縄文館 (3)

こちらは、それら発掘されたものを展示している「真脇遺跡縄文館」。
真脇遺跡縄文館 (2)

遺跡から出土した、イルカの骨や彫刻柱などの遺物は重要文化財に指定されています。
真脇遺跡縄文館 (7)

隣接する公園?には、晩期の環状木柱列と、
真脇遺跡縄文館 (10)

中期の板敷き土壙墓が、出土した場所に復元されていました。

我々の祖先の、昔の生活の一部を垣間見ることが出来て勉強になりました。

縄文真脇遺跡
石川県鳳珠郡能登町字真脇48-100
TEL 0768-62-4800(真脇遺跡縄文館)
月曜、火曜休

お次は日本百景の一つ、九十九湾にある観光交流センター「イカの駅 つくモール」。
イカの駅 つくモール (8)

「道の駅」ではなく「イカの駅」です。2020年6月20日にオープンしていて、全長13メートルの巨大なイカのモニュメント「イカキング」が有名です。
イカの駅 つくモール (7)

国から新型コロナウイルス対策として交付された地方創生臨時交付金(いわゆるコロナ交付金)を充てて作られたため、一時批判の的となりマスコミなどでも取り上げられました。

しかし、有名になったおかげで、約6億400万円の経済効果があったようです。
イカの駅 つくモール

館内では能登町の自然・産業など紹介があり、

あと、能登町の小木漁港は船内で釣ったばかりのイカを側線内で冷凍保存する「船凍イカ」が有名なので、中にあるレストランや物産販売コーナーでは、イカにちなんだ商品がいろいろ売られていました。
イカの駅 つくモール (13)

こちらでは、イカスミソフト(420円)を食べました。イカスミが練り込まれていると思いますが、まぁ、イカスミと言われなけらば味だけではわかりませんね。汗
イカの駅 つくモール (14)

あと、お土産で、このような物を買っています。

「のとジン」は妻が所望したもの。100mlで2,250円と少々お高め。
能登ジン

能登の材料を使ってイギリスで造られていました。
イカの駅 つくモール (16)

プラカップに入っていた「こんぶとチーズのおつまみスティックが意外と美味しかったです。

イカの駅 つくモール
石川県鳳珠郡能登町越坂18字18番1
TEL 0768-74-1399
9:30~17:00
レストラン
11:00~15:00(L.O.14:30)
水曜休

最後に紹介するのは「数馬酒造」。「竹葉」で知られる酒蔵です。
数馬酒造 (6)

色々、面白い酒を造っているので立ち寄りましたが、店内で、宿泊した宿のご主人とばったり!びっくりでした。
数馬酒造 (3)

店内です。それほど大きな酒蔵ではないと思いますが、作っている酒の種類は多かったです。
数馬酒造 (9)

「地域食材特化シリーズ」という面白いコンセプトの酒が何種類かあったので、今回はその中から2本を買い求めることに。

こちらはイカに合う、その名も「いか純米(1,870円)」。
数馬酒造 (11)

能登の能登の海洋深層水を仕込み水に用いて、酵母は海藻由来。冷やして飲むと、程よい甘みとフルーティがありながら、すっきりとした飲み口でした。

あと、牡蠣に合うという、その名もずばり!「Chikuha Oyster(1,870円)」。
数馬酒造 (12)

能登産はざ干しコシヒカリを使用ていて、酵母はお聞きするとワイン酵母を使用しているとのこと。
牡蠣ドリア

酸味とミネラル感が牡蠣の味わいに良く合います。

あと、能登牛やジビエに合う酒などがありました。
数馬酒造 (10)

こちらは酒蔵ですが醤油も作っています。調べてみると、醤油製造は数馬酒造の生業だったようで、昔から造っていました。

能登の里海醤油で海洋深層水仕込みで造られていますが、こちらはまだ使っていません。

能登町にはそれほどの時間滞在したわけではありませんが、他にも見どころがたくさんあります。また行きたいエリアです。ご馳走様でした。

数馬酒造
石川県鳳珠郡能登町宇出津ヘ-36
TEL 0768-62-1200
平日 9:30-17:00
日曜・祝日定休



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