それは「一亭 前川」という、昨年12月20日に開店した和食のお店です。

場所は菊の湯と山中座のお隣。

少し古い、２階以上が集合住宅の建物の１階にありました。

お店についてはそんなにネット情報が無かったのですが、オーナーの方はこれまで、京都や地元の温泉旅館など色々なところで腕を磨いてこられた方のようです。

店内に入ると、カウンター席と小上がり。

小上がりにはギターが２本置かれ、ビートルズの「アビーロード」のアルバムジャケットの写真の掛け軸？がかけられていました。

お聞きすると、ビートルズのファンだとか。

また、先ほどの写真でカウンターの上にシルクハットが置かれていたと思いますが、このシルクハットをかぶって調理されていました。

お品書きです。お昼も夕食もおまかせコースのみの設定で、前日までの予約が必要です。

お昼は3,500円で、ランチの値段としては少し高いかもしれませんが、結論を先に書くと、十分価値がありおすすめです。

ランチだと、あらかじめ作ってあった料理を盛り合わせた松華堂弁当のような形の提供かな？と思っていましたが、そうではありませんでした。

会席料理のように一品一品目の前で調理して出してくれました。

では出されたものを紹介していきます。

先付としての最初の一皿は「こごみの胡麻味噌和え」。

こちらは「鯛の肝」。う～ん、お酒が欲しくなります。

お造りは「あら」。

蒸し物は名残の「カニの茶碗蒸し」でした。

小吸椀は「アイナメの丸仕立て」。お椀の蓋に水滴をつけて出てきます。

丸仕立てとはすっぽん仕立ての意味だそうで、汁のうま味は最高でした。

煮物としては「真ふぐと小蕪のハリハリ鍋風炊き合わせ」が出されます。

ハリハリ鍋は、大阪や京都を中心に関西で食べられる鍋のことで、水菜と魚や肉の組み合わせ。上品な出汁に真ふぐの旨みがしみ出していて美味しかったです。

焼き物はサワラだったかな。

揚げ物はイカと大葉、そして鯛の白子。白子はすぐに食べると舌がやけどするので注意が必要でした。

酢の物は「ホタルイカの大根おろしみぞれ酢和え」。今年はホタルイカが豊漁でしたね。

そして、ご飯は土鍋ご飯で炊き立てを食べることが出来ました。

炊きあがってすぐに、少量のご飯を出してくれます。

これは「煮えばな」と呼ぶようで「お米からご飯に変わる瞬間の、水分をたっぷり含んだお米のこと」だそうです。

そしてしばらく蒸らして出されます。味噌汁は赤出し。

おかずとして、サッとその場で作ってくれた出汁巻きと上品な浅漬け。

最後にはデザートが出てきて、リンゴのコンポート、ロールケーキ、イチゴ。

いや～、期待以上の内容で満足満足。

ランチはお一人で対応。夜は混み具合でお手伝いの方が入るようですが、基本、こじんまりとご主人と色々お話をしながらゆったり楽しむのに適しているお店でしょう。ご馳走様でした。