あさぴーのおいしい独り言

石川を中心に西日本のグルメネタを気ままに書きます。(ご注意)あくまでも主観で書いていますので何かありましても責任は負いかねます。参考にされる場合はご留意を。また内容は訪問当時に知り得た情報(ネット含む)をもとに書いています。なお、コメントは承認後にアップしており、不適切な内容はアップをしませんので、あしからずご了承願います。

カテゴリ: 文化芸術

連載20年の歩みの9回目は旅行・美術館・博物館編です。

皆さんの中でも旅行が好きな方は多いと思います。グルメ好きとしては当然各地の美味しいものを食べてみたいということで、出張やプライベートでの旅行などで県外に行った折には事前に調べて食べに行きます。地元で日常的に食べるときと違い、旅先でハズレた時にはショックですよね。

あと、プライベートでの旅行では必ずと言っていいほど、その土地にある美術館・博物館を訪れています。

今日は、そんな旅行・美術館・博物館に関してのまとめ。あまり昔のものは参考にならないと思うので、ここ数年のものになります。

まずは、昨年の元日の能登半島地震の約2か月前、珠洲市で開催されていた「奥能登国際芸術祭」を観に行っています

こちらは旧保育所を会場に作られた山本基さんの「記憶への回廊」という作品。
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長年「塩」を用いたインスタレーションを制作している方で、青と白のドローイングのイメージを含め考えさせられる作品でした。残念ながら震災で一部が壊れてしまいました。

こちらの写真は、福井県坂井市にある「Brilliant Heart Museum」。
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アートディレクター戸田正寿氏の私設美術館で東尋坊雄島の雄大な全景を絵画のように切り取り、一枚の大きな絵を見ているように感じるアートな空間。時間を忘れて味わうことが出来ました。
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東京の「すみだ北斎美術館」は、葛飾北斎を単独テーマとした世界初の常設美術館として2016年11月にオープンした美術館です。

設計は、金沢21世紀美術館の設計などでも知られる世界的な建築家、妹島和世さん。外観は、葛飾北斎という浮世絵師のイメージとは違って、超現代的な建築です。
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この写真の構図を見た方も多いと思いますが、山梨県富士吉田市にある「新倉山浅間公園」です。ちょうど日が沈む時間に合わせて行きました。

「京都と富士を同時に見ることができる場所」として、特に海外の観光客に人気のスポットなのです。やはり日本のイメージそのものを一度に見ることができるというわけですね。

旅行と言えば、飲食店と同時に大切なのが宿泊施設です。

私が過去宿泊した中で印象的だった2つのホテルについて触れておきます。

まずは「東京ステーションホテル」。誕生したのは東京駅開業から一年後の1915年だそうで、歴史のあるホテルです。
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国の重要文化財に指定されてる建物の中にあるホテル。贅沢ですね。

こちらは世界的建築家故アルド・ロッシ氏設計の1989年開業日本初デザインホテル「ホテル イル・パラッツォ」。
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日本におけるデザインホテルの先駆けで、ロッシ氏とインテリアデザイナーの故内田繁氏とタッグを組んで日本ではじめて手がけた建築ですが、2023年に開業当初の理念を継承した新たな空間として「Re-Design」され生まれ変わっています。

最後に海外についても1つ触れておきます。

昔、時々海外出張もありました。
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シンガポールへ行ったときに現地の人に夕食後連れて行ってもらった、ホテル・マリーナベイ・サンズを通り抜けたところに広がる「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」。
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植物園の中の巨大なスーパーツリーグローブを使用してのライトショーです。

この辺りは役得でした。

次回は、一応このシリーズの最終回として、今後のことについて書きたいと思います。

中旬に所要のため2日間東京へ。

半日くらい自由な時間があったので行きたいところを駆け足で巡りました。
パナソニック汐留美術館 (3)

一つはパナソニック汐留美術館で開催されていた「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」を観ること。
パナソニック汐留美術館

スイス生まれのフランス人建築家、ル・コルビュジエ。近代建築の巨匠として世界的に有名ですが、日本では国立西洋美術館の設計で知られ世界文化遺産にも登録されています。
パナソニック汐留美術館 (2)

彼は日本の建築家にも多大な影響を与え、さらには建築以外にも絵画や彫刻の領域で顕著な芸術性を発揮しているのです。

今回の展示は、建築については晩年の作品が少し紹介されていましたが、主に絵画、彫刻、素描、タペストリーが展示されていました。

絵画や彫刻は素人の私からするとピカソの抽象画に近い感じがしましたが、色の配置が素敵でした。

展示は3月23日までで、土曜日・日曜日・祝日は日時指定予約が必要です(平日は予約不要)。
パナソニック汐留美術館 (5)

ちなみに妻は、ミュージアムショップでこんなものを買い求めていました。

パナソニック汐留美術館
東京都港区東新橋1-5-1
 パナソニック東京汐留ビル4階
10:00~18:00(入館は17:30まで)
閉館日:水曜(祝日は開館)、展示替期間、年末年始、夏期休業期間

お次は昨年3月に時を同じくして移転オープンした石川県と金沢市のアンテナショップについて。
銀座の金沢 (2)

金沢市のは、前は銀座1丁目のキラリトギンザにあった「dining gallery 銀座の金沢」を同じく銀座の5丁目に移転。名前も「KOGEI Art Gallery 銀座の金沢」と変更しています。
八重洲いしかわテラス (9)

また石川県のアンテナショップは、銀座の「いしかわ百万石物語・江戸本店」から八重洲に移転して、名前も「八重洲いしかわテラス」になっています。

ちなみに、私のブログでは、前のこの2つのアンテナショップについてはこちらの方で紹介しています。興味のある方は参考までのお読みください。

さて、金沢市のはアンテナショップというよりアートギャラリーで、前は日本料理「銭屋」監修のダイニングコーナーがあったりしたのですが、こちらでは完全に工芸アートギャラリーに変えていました。
銀座の金沢 (3)

1階は「アートとしての工芸表現に出会うギャラリー」。
銀座の金沢 (5)

2階は「暮らしに根差すライフスタイル工芸ギャラリー」となっていて、行った日は企画展として「カレーとラーメン展」というのをやっていましたが、すでに終了しています。
銀座の金沢 (6)

一方、「八重洲いしかわテラス」のほうは東京駅の八重洲口からすぐの便利な場所にあり、前の場所では3つのフロアに分かれていたのを1階のワンフロアのに集約しているのでわかりやすくなっていました。
八重洲いしかわテラス (7)

マジンガーZがお出迎え。
八重洲いしかわテラス (3)

加賀・金沢・能登の各エリアにおける色々な食品や工芸品など、こちらに来れば概ねそろえることが出来そうな品揃えでした。

また、奥のほうには「茶バル」があって、石川ならではの酒類・お茶等のおすすめを提供していました。
八重洲いしかわテラス (6)

こちらには伝統産品ですね。
八重洲いしかわテラス (8)

あと、石川県の地酒の好みとブランドをマッチングできるような仕掛けがあったり、インテリアのほうも伝統と現代を感じられるようなものになっていました。

東京にお住まいの方はもちろんですが。それ以外の方も東京に行った折に行ってみてはいかがでしょうか。

KOGEI Art Gallery 銀座の金沢
東京都中央区銀座5-1-8
銀座MSビル1・2階
TEL 03-6228-7733
11:00~19:00
年末年始休12/29~1/3)

八重洲いしかわテラス
東京都中央区八重洲2丁目1−8
 八重洲Kビル1階
TEL 03-6225-2177
10:30~20:00
無休

神奈川と静岡でアートを堪能した後、3日目東京に移動して行ったのが「東京ステーションギャラリー」。

昨年、「東京ステーションホテル」に宿泊しましたが、「東京ステーションギャラリー」にはいきませんでした。
東京ステーションギャラリー (3)

今回、妻のリクエストで「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」という展覧会を観るために行きました。
東京ステーションギャラリー (2)

イギリス生まれのテレンス・コンランはサーの称号を持つ家具やインテリアのデザイナーで、日本でも彼が設立したインテリアショップ「The Conran Shop(ザ・コンランショップ)」が知られています。
麻布台ヒルズ (28)

こちらは翌日行った麻布台ヒルズのコンランショップです。

私自身はそれほど知っていたわけではないのですが、内容を見てみると、本当に幅広いジャンルで活躍された人なのだなぁ、というのが感想でした。

「東京ステーションギャラリー」の紹介ページには「本展は、パターン・デザインした食器やテキスタイルなどの初期プロダクト、家具デザインのためのマケット、ショップやレストランのためのアイテム、発想の源でもあった愛用品、著書、写真、映像など300点以上の作品や資料に加え、彼から影響を受けた人々のインタビューを交えながらさまざまなコンラン像を浮かびあがらせます。」と書かれていましたが、まさにそんな感じの展覧会でした。
東京ステーションギャラリー (11)

このフライヤーに写っているのは、コンランと彼がデザインした「コーン・チェア」。
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コンランショップの紙袋デザイン。モダンです。
東京ステーションギャラリー (7)

展覧会は一部撮影可能なエリアがあったので紹介します。
東京ステーションギャラリー (12)

バートン・コート自邸内の仕事部屋。
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コンランがデザインした家具の模型など幅広い展示で、
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インテリアに関連する人たちにとっては勉強になる展覧会だと思いました。
東京ステーションギャラリー (18)

お土産に、コンランのイラストが入っている
東京ステーションギャラリー (16)

こちらのフレンチフライを買っています。

あと、今回本当は「三菱一号館美術館」を観たかったのですが、残念ながら長期休業中で外観だけ撮影しています。
三菱一号館美術館 (2)

ちなみに「三菱一号館美術館」は三菱がジョサイア・コンドルに設計を依頼して作られた日本で最初の洋風貸事務所です。こちらは当時の様子を忠実に再現して作られています

東京ステーションギャラリー
東京都千代田区丸の内1-9-1
TEL 03-3212-2485
テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする
2024年10月12日(土)~2025年1月5日(日)
10:00~18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館30分前まで
月曜休館(ただし12/23は開館)
10/15(火)、11/5(火)、12/29(日)~1/1(水)休館

建築家の坂茂氏といえば今年9月に「世界文化賞」を受賞した世界的な建築家で、過去には建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞も受賞されています。

彼は石川県にも縁が深く。奥能登珠洲市や輪島市などで、彼がが代表を務めるNPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)と坂茂建築設計として被災地支援プロジェクトを続けてくれていて、2階建ての仮設住宅、そして珠洲焼や輪島塗の仮設工房などがすでに各所で作られています。

ちょうど、妻がボランティアなどを通じて坂茂氏とご縁があり、今回妻のリクエストで静岡県富士宮にある坂茂氏設計「静岡県富士山世界遺産センター」まで足を延ばすことにしました。

「静岡県富士山世界遺産センター」は名前の通り、世界遺産に登録された富士山の保護・保存・整備のための拠点施設として2017年12月23日に開館しています。
静岡県富士山世界遺産センター

すぐ近くに富士山本宮浅間大社があり、大きな赤い鳥居が目印です。

建物の形状がユニークで、ご覧のように逆円錐型。ちょうど逆さ富士と同じ。
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建物の周りに水が張られていて、その水面に映し出される形が正富士になります。
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施工業者は作るのが大変だっただろうな…?
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館内も外観の木組みと同じ構造。
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この逆円錐に形状に沿って通路が設けられていて、映像展示やパネル展示がありました。
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内容は四季の富士登山を疑似体験できるものや、富士山への信仰についてなど。
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通路を登りきると展望ホールと屋外テラスから富士山を望むことができました。
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10月下旬でしたが富士山の冠雪はまだ。今年は初冠雪が一番遅かったということ。また、頂上付近に雲がかかっていたのが残念でした。

でも入館料が大人1人300円と安いのでおすすめです。

静岡県富士山世界遺産センター
静岡県富士宮市宮町5-12
TEL.0544-21-3776
通常 9:00~17:00
7、8月 9:00 ~18:00
毎月第3火曜及び施設点検日は休館

毎年秋に妻のご先祖さまのお墓参りに行きます。

それに合わせて目的地周辺の観光をしているわけですが、毎年、建築やアートを巡ることが多く、今年は小田原~富士宮~箱根~横浜~東京を3泊4日かけて回っています。

小田原でレンタカーを借りて向かったのは小田原文化財団が運営している「江之浦測候所」。

小田原文化財団は2009年に現代美術作家・杉本博司により設立された財団で、「江之浦測候所」を起点として文化的活動を行っています。

杉本博司氏については。19年前に六本木の森美術館で「杉本博司:時間の終わり」という展覧会を観てから、わが夫婦とも興味を持ち、その後、ほかの展覧会や彼が手掛けた建築などを巡っていました。「江之浦測候所」は構想10年、建築10年かけて2017年10月9日に開館しているので、19年前は。まだこの施設は構想中だったわけです。

昨年は表参道の和カフェ「茶洒 金田中」に行っていて、こちらで紹介しています

「江之浦測候所」という少々お堅い名前ですが、シャンルでいえば美術館兼博物館のようなものかな?
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こちらの待合棟で受付。

事前予約・入替制を採用してて、大人1人3,300円と少々お高い入場料ですが、行ってみてわかりました。これまでにかかったコスト、それに維持費が大変だと思うほどに広大な敷地内に、歴史的な価値がある石を素材にした品々。
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神社の社。
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茶室。
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数理模型0010。

そして写真家としても有名な杉本博司氏の作品などが展示されていました。

敷地内のものすべてがアートなのです。
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こちらの建物は夏至の朝に海から昇る太陽の光がギャラリー内を駆け抜けるとい壮大な仕掛けが施された「夏至光遥拝100メートルギャラリー」。
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通路の一方は大谷石で、こちらに杉本博司氏の有名な作品である「海景シリーズ」が掲示されていました。
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本物の水平線が同期して、なかなか素敵でした。
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また、こちらの建物の下を斜めに横切る形で冬至の日の出が差し込むように設置されている「冬至光遥拝隧道(とうじこうようはいずいどう)」。
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この上部も歩くことができます。止め石より先にはいくことができませんが、そこまではok。ただ意外と怖かったです。
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周りには「光学硝子舞台」と「古代ローマ円形劇場写し観客席」が設置されていました。
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そして、こちらが春分、秋分の日の日の出が差し込む隧道です。

昔の人は、こんな仕掛けで季節の移り変わりを視覚化していたのですね。日本でも世界でもいろいろな遺跡に同様な仕掛けが存在しています。

なかなか見ごたえがあったので、皆さんも是非!杉本博司ワールドを体験してみてください。

江之浦測候所
神奈川県小田原市江之浦362番地1
TEL 0465-42-9170(代表)
事前予約・入替制
午前の部:10:00~13:00
午後の部:13:30~16:30
火・水曜、年末年始休
および臨時休館日あり

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