加賀市のラムサール条約登録湿地「片野鴨池」では、冬の間だけ坂網と呼ばれる網を使った猟で鴨が捕獲される。
1シーズン200羽限定という貴重な鴨を使っての坂網鴨料理。それを食べさせてくれるお店として有名なのが「加賀料理 ばん亭」である。
ただ残念ながら私は鶏肉が大の苦手で、当然、鴨もダメである。

そのため、これまで「加賀料理 ばん亭」には行ったことがないのである。
しかしながら坂網鴨料理は冬期間のみ。それ以外の季節は鴨料理以外のメニューを出していかないと、いくらなんでも経営が成り立たないわけで、当然「加賀料理 ばん亭」では他のメニューも食べることが出来るのだ。
今回、加賀市のご当地グルメとして、2015年4月1日から加賀市内の飲食店7店で毎日食数限定でスタートした、ズワイガニの雌の「香箱がに(関西ではセイコガニ)」を使った「加賀カニごはん」を食べに出かけてきた。
「加賀カニごはん」は、昨年は1,800円(税込)というお得な値段で提供されていた。一時人気で予約がないとなかなか食べられない状況のときもあったが、その後の評判は様々。今回、この4月に改めてメニューなどを再構成して、値段も若干アップの1,950円として、加賀市内の5店舗で再スタートを切っているのだ。
「加賀カニごはん」の定義などは昨年と変わっていないようだが、内容は私がホテルアローレの竹翆へ「加賀カニごはん」を食べに行った時に紹介しているので、そちらを見てほしい。
ちなみに、「加賀カニごはん」は、リクルートの旅行サービス「じゃらん」がプロデュースしている。
さて、とある日曜日、ふと「加賀カニごはん」のことを思い出し、11時半ごろに「加賀料理 ばん亭」に予約を入れてみると大丈夫だということで、さっそく妻を連れだって出かけてきた。
日本料理の老舗なので、建屋は立派。ランチでも大きな個室でゆっくりと食べることが出来る。
加賀料理 ばん亭の「加賀カニごはん」は「湯葉巻きカニ天むすの卵とじ&四季の香箱甲羅椀」という名前が付けられていて、香箱ガニの外子と内子が入ったごはんを湯葉巻きにして揚げ、さらに卵で綴じる天むすと、カニの甲羅にごはんを詰め、四季の香りと味を閉じ込めたお吸い物風の甲羅椀の2種類のカニごはんを楽しめるものとなっている。どんな内容であるか、また味の面でも期待である。
20分くらい待って出されたのが、こちら。
加賀市の作家が、このご当地グルメのために作り下ろした山中漆器(盆、汁茶碗)、九谷焼(小鉢皿一式、加賀棒茶敷き皿)などをふんだんに使った贅沢な趣となっている。
ご存じの通り、香箱ガニの漁の期間は、毎年、年末のわずか約2ヶ月間のみ。当然、今の季節は地元で獲れた生の香箱ガニは食べることが出来ないわけで、つまりはその2カ月間で獲れた香箱ガニを冷凍保存しているわけだ。この「加賀カニごはん」の定義では「火を通す」ことが決められているので、まぁ、冷凍のカニでもいいわけだ。
お店の人が「湯葉巻きカニ天むすの卵とじ」に火を入れてくれる。火が通るまで小鉢類や「四季の香箱甲羅椀」のほうを食べることにする。
小鉢は5皿で、温野菜、造り、揚げ物、焼き物、煮物という和食の基本を、少量ずつながらしっかりと押さえている。それと香の物も添えられている。
揚げ物には、カニの胴体のほうの殻なども使われているなど、食材を無駄にしないで美味しく食べさせる工夫をしていて好感が持てる、そして何より、多くの種類の食材を使いながらも、加賀市で収穫された食材をふんだんに使っているのがうれしい。味的にもどれもおいしかった。
さて、「四季の香箱甲羅椀」は加賀料理の「蓮蒸し」のようにレンコンをすりおろした中にカニの内子・外子・身が入られて、その下にはご飯が詰められ、上品な出汁とほんのり生姜の味と香りの餡がかけられたお吸い物風となっている。
このあたりは加賀料理店としての技とプライドが垣間見えるではないか!?

カニの形にくり抜かれたニンジンもかわいい。
そうこうしているうちに「湯葉巻きカニ天むすの卵とじ」のほうに火が通り、ふたを開けて溶き玉子をかけ、さらにふたをしてしばらく待つ。

出来上がりが、下の方の写真である。
湯葉は揚げられたら、まぁ、油揚げそのものであるが、、でも、これは美味しかった。カニの旨みもたっぷり吸ったご飯に溶き玉子が絡んで、言えもしない美味しさにまとまっている。
それに食べ進むと、さすがに味が単調に感じてくるので、その時には添えられている岩海苔をかけて磯の香りをプラスして食べると、また風味がかわっていい。さらには「四季の香箱甲羅椀」を食べた後残った生姜餡をかけたりと、色々味の変化を楽しめるのは、なかんか工夫されていて楽しいし素晴らしいと感じた。

こちらはお味噌汁と、加賀棒茶である。加賀棒茶も必ず付けられることになっている。
食後には、デザートとコーヒー。
デザートは加賀名物の吸坂飴シロップをかけた「けんさんプリン」と、旬の果物が添えられている。
いや~、実は、これまで「加賀カニごはん」については、定義がガチガチすぎるのと、冷凍の香箱がにを使っているなど、あまりいい印象を持っていなかったのも事実だった。
しかし、「加賀料理 ばん亭」で食べた「加賀カニごはん」はとてもよかった。
内容・味・ランチとしての驚きや楽しさなど、値段以上の満足度を得ることが出来たと思う。ご馳走様でした。
また、機会があれば、他の料理も食べに行きたいと思うと同時に、「加賀カニごはん」についても他のお店に行ってみたくなった。
加賀料理 ばん亭
石川県加賀市大聖寺東町4-11
TEL 0761-73-0141
11:30~14:00(L.O.13:30)
17:00~22:00(L.O.21:30)







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