山中温泉エリアが変貌しています。

北陸新幹線敦賀までの延伸で賑わいが増すことはうれしいですね。

さて、今日紹介する「加賀依緑園」。旧よしのや依緑園別荘だったところを加賀市が主体となって大幅改修して整備を進めていましたが、この4月13日にオープンしています。
加賀依緑園 (3)

旧の「よしのや依緑園」は、約10年ほど前に残念ながら前経営者から現在の湯快リゾートに経営権が移っています。
加賀依緑園 (2)

「加賀依緑園」は、訪問する前は湯快リゾートと同じ経営かと思っていましたが違っていました。
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管理運営は株式会社リナシェンテという金沢の会社。こちらは「能美市ふるさと交流研修センター ウェルネスハウス さらい」などの管理・運営をしていたりしていて、金沢まいもん寿司を運営するエムアンドケイとも同じグループのようです。
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さて、旧よしのや依緑園別荘。主要な建物は明治時代に建てられ、昭和天皇や政治家、そして多くの文化人が訪れていたことで知られ、山中温泉が誇る迎賓館として愛されたいたようで、山中温泉の街中にありながら、急な斜面を利用して意外に静かで自然を愛でる環境にありました。

本館は明治時代の近代和風建築のたたずまいを残していますが、こちらは現代建築だそうです
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離れには裏千家家元のお茶室「又隠」を参照した本格的な茶室が新しく作られていました。

館内見学は大人1人600円。

我々はちょうどオープン当日に伺い、一番最初の入場者でした。そのためラッキーにも、この改修に携わった加賀市の職員の方に説明付きでご案内いただきました。
加賀依緑園 (13)

入って最初のこちらでは、旧よしのや依緑園別荘の歴史や、
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昭和天皇がご宿泊された時に使われた食器や当時のお品書きなどの展示がありました。
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天井には山中塗が多数使われていて豪華。
加賀依緑園 (20)

建物の北側には斜面を利用した「深山幽谷縮景の庭」があって、外に出て見学することが出来ます。

そして靴を脱いで本館・御殿内を見学。

こちらの部屋は「桐の間」と「菊の間」。
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かつては貴寝室だったところで、「桐の間」は、昭和の宰相吉田茂が次期自民党総裁に佐藤栄作を指名した「山中会談」の舞台となった部屋。
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調度品も当時のものが残っていて天井のレリーフも素敵でした。
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また、こちらにも山中塗の壁画が飾られています。盛り上がった部分もすべて漆で、作家さんのパワーを感じる作品ですね。
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壁紙には現在では使用している建築があまり残っていない「金唐革紙」が使われていました。
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こちらは「菊の間」です。
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奥に位置する御殿のこのエリアは昭和天皇がご宿泊されたところ。いまは喫茶ラウンジになっていて、見学終了後にしばし抹茶と上生菓子で休憩しています。
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群青色の壁が格式の高さを表していて、飾られている掛け軸は大聖寺藩の現在のご当主の書。
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庭を愛でながらゆっくり楽しむことが出来ます。
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ちなみに上生菓子は山中温泉の山海堂のものでした。
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そして、斜面を縫うように渡り廊下があって、旧よしのや依緑園別荘のときに宿泊部屋だったところも見学できました。
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最後に見学したのは茶室。今回の改修で一番お金がかかっているそうです。
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水屋。
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お茶室は素材などはほとんどすべて現場で作っていて、詫び寂びを感じる空間でした。
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おまけ情報ですが、「加賀依緑園」の施設は色々なところでこだわりを感じさせてくれます。
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さりげなく人間国宝のものが使われていて、
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九谷焼の陶板や一枚物で作られている拭き漆の板。

壁面タイルは、私もよく存じ上げている陶芸家の山下一三さんの作品です。

見る価値がある観光施設になっています。皆さんも是非どうぞ!ご馳走様でした。

加賀依緑園(かがいりょくえん)
石川県加賀市山中温泉南町ロ87番地1
TEL 0761-71-2683
10:00~18:00
木曜日休
入館料 600円 団体490円



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