小田原ネタが続きます。今日は、小松市ともご縁がある市川宗家に関係があるお話です。
歌舞伎の演目で歌舞伎十八番というものがありますが、小松市の安宅関を舞台とした演目もその一つで、有名な「勧進帳」です。
昨年の10月に、実際の安宅関で初めて海老蔵さんが演じています。
そんな歌舞伎十八番の中に、「外郎売」という演目があり、その舞台となっているのが、今日紹介します、小田原の「ういろう本店」なのです。
「ういろう」とは「外郎」と書きます。これは苗字でもあるんですね。
創業が永正元年(西暦1504年)というから凄いです。500年以上続いているんです。
今回、その本店に行って来て、お茶とお菓子で一服してきましたので書きたいと思います。
「ういろう本店」は小田原城のすぐそばですが、お城のような造りです。
お城の天守でもなく、このような姿は江戸時代から続いているようです。お殿様にも了解済みだった言うことが書かれていましたが、これも凄いことです。
歌舞伎の「外郎売」は私も実際の舞台は見たことがありませんが、調べてみると外郎売の口上が見どころのようです。
外郎売の口上は、現在では、俳優・タレント、アナウンサーの養成所などで発声練習の教材として使われているというもので、それだけ早く難しいということです。
それを市川團十郎さんや、海老蔵さんは、当然噛みもせずに演ずるわけです。
さて話は変わりますが、皆さんは「ういろう本店」と聞いて、和菓子の「ういろう」を思い浮かべるでしょう?
私の住む石川県や、東海より西に住んでいる人にとっては、「ういろう」といえば名古屋の「ういろう」のほうがなじみがありますが、関東に住んでいる人にとっては「ういろう」は小田原のほうがなじみがあるようです。
「ういろう」発祥の地はいろいろ諸説があるようですが、小田原の外郎家のご先祖様が関係しているようです。(もともとの「ういろう伝来之地」碑は福岡博多区にあります)
もともと「ういろう」は「外郎」という薬の名前で、銀色をした小さな粒状の丸薬。痰をきり、口内清涼や消臭によいとされる大衆薬で、江戸時代の人々にとっては万能薬だったようですが、少し前の時代の「仁丹」と良く似た形状・原料です。
話を戻しますが、今回お邪魔した「ういろう本店」では、薬の「ういろう」とお菓子の「ういろう」を両方同じところで売っているという珍しいお店なのです。
今回、そのお店に併設されているカフェで、「ういろう本店」で作っている和菓子とお茶を楽しんできました。
お菓子は月替わりで、基本、上生菓子の品揃えです。妻と義母はういろうを使った「銀杏」という上生菓子を。そして飲み物は妻は抹茶、義母はコーヒーを頼んでいました。
ういろうで銀杏の形を作って、中に餡が入れられている上生菓子です。
私は上生菓子は甘いのでちょっと苦手。そこで秋真っ盛りということもあり、こちらの「秋日和(600円)」という和風プリンを頼みました。
かぼちゃを使った変わった和風のプリンでした。お茶も付いています。
そして帰りに買い求めたのは、こちらの「栗ういろう」と、
薬の「ういろう」です。
「栗ういろう」はこんな感じで、それほど甘くはありませんでした。お茶請けに良さげでした。
世の中、老舗と呼ばれるお店は数あれど、ここは本物の老舗です。ご馳走様でした。
ういろう本店
神奈川県小田原市本町1-13-17
TEL 0465-24-0560
月~土
10:00~1730(4月~10月)
10:00~17:00(11月~3月)
日 10:00~1700