私は、東京では寿司屋さんに、あまり行こうとは思いません。

もちろん、東京には全国各地からいい食材が集まってくるので、お金さえ出せば美味しいお寿司を食べられることは承知しています。

しかしながら、地産地消ということもあり、金額的なこともあり、何となく足が遠のいていました。
寿司政

今日紹介する東京九段下の老舗寿司店の「寿司政」は、創業1861年、つまり文久元年から155年も続く名店なのです。
寿司政 (4)

作家山口瞳さんに「九段下寿司政のシンコを食べないと、私の夏が終わらない」と言わしめたという逸話も残っているほど、「寿司政」のコハダ(小肌)とシンコ(新子)は有名なのです。

ではここへなぜ行ったのか?それは、先月紹介しました金沢の寿司店「こいづみ」のご主人がこちらのお店で修業をしていたからです。

赤酢を使った江戸前の握りを金沢ではなかなか味わうことはできません。そんな寿司に多少の間隙を覚え、たまたま東京に出張の折に一度、老舗の寿司店の握りを食べて見たくなったからなのです。

平日のランチメニューに、「お昼にぎり」という1,800円(税別)で食べることが出来るメニューがあるのです。

老舗の有名寿司店でこの値段はうれしいです。

ということで、開店後少しばかり経過した時間にお邪魔しました。先客の女性客が2人いらっしゃいました。私たちはカウンター席に座ります。やはり寿司はカウンターで食べるに限ります。

お隣の女性の方々は、同じく1,800円の「お昼ちらし」を頼まれていました。

握りは一貫ずつ出されます。
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まずは真鯛です。赤酢のほのかに芳醇な香りがするシャリはやや小ぶり。甘さも押さえれれていて、何となく江戸前を食べている気分になります。にきりも素材を邪魔しない程度に塗られています。
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白イカもねっとりした食感で、噛むと甘みが舌に感じられました。
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ホタテも大きなネタ。
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カツオは軽く炙ったたたきで。
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甘えびは、その名の通り甘くて美味しかったです。石川が甘えびでは有名ですが、こちらもプリッとした身がねっとりと舌に絡みます。
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マグロも熟成度が良かった気がします。
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アナゴは、ツメもそれほど甘くなく、アナゴの身も口の中でもとろけました。
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巻物はかんぴょうです。甘く煮られていますが、これだけは醤油を付けて食べます

以上で「お昼にぎり」は終わりです。計8貫は男性には少ないかもしれません。

まぁでも、2,000円のラインを超えない値付けが、個人的にはいいと思います。
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「お昼にぎり」には、じゅんさいのお吸い物が付いていますし、出されたガリも、「こいづみ」で出された味と同じでした。甘くないガリなのです。

ここで私は、やはりウリのコハダかシンコを食べて帰らねば!ということで、追加でシンコ1貫のみオーダーしました。1貫で800円です。
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シンコは、7月中旬からお盆ぐらいまでの短い期間しか食べることが出来ないネタです。ここでケチってはいけません。

美味しいです。〆の塩梅がシャリとの相性がいいのでしょう?

いや~、シンコは追加で頼みましたが、1,800円(税別)の「お昼にぎり」は、これで十分に老舗の江戸前の握りを堪能することが出来ますよ。

そうそう!帰り際に店長さんと話をさせていただいたのですが、何と!生まれも育ちも金沢だということでびっくり!

そして、若女将さん?なのでしょうか、和服の女性も金沢生まれ!母方の実家が金沢だったので、金沢で生まれたということでした。

冒頭書いた「こいづみ」のご主人は金沢に縁もゆかりもないのに、金沢にお店を出したということも含めて、何と金沢にご縁のある寿司店かと、改めて驚きました。私が行きたくなるのも、これもご縁でしょうか?ご馳走様でした。

九段下 寿司政
東京都千代田区九段南1-4-4
TEL 03-3261-0621
月~金
11:30~14:00(L.O.13:30)
17:30~23:00(L.O.22:30)
土・日・祝
11:30~14:00(L.O.13:30)
17:00~21:00(L.O.20:30)
無休


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