20数年ほど前は小松市のあわづ温泉にも多くの温泉旅館がありました。

しかしながら1990年代前半のバブル崩壊後の時期から、ライフスタイルや旅行パターンの変化などにより、多くの温泉旅館が廃業の憂き目にあいました。

あわづ温泉の温泉旅館も同様で、一部はいわゆる温泉旅館を再生させる「格安ホテルチェーン」に生まれ変わったりしているところや、そのまま廃業になっていたりしていて温泉街も寂しい状態です。

いまでは、そのようなところを含めて数軒のみが営業されています。

そんなあわづ温泉で、昨年11月に1階を全面リニューアルオープンして、新しい試みを始めているチャレンジングな温泉旅館があります。

それは「喜多八」という、創業から70年近く経とうとする温泉旅館です。

私も昔、あわづ温泉を利用するときは、「喜多八」を利用することが度々ありました。料理が美味しかった記憶があります。

そんな「喜多八」ですが。数年前に現在の旅館のご主人と結婚されて「日本一速く歩く女将」として活躍されているのが、アテネ・北京・ロンドンと競歩で3度のオリンピック出場経験を持つ喜多真裕美さんです。
宿場町カフェ (2)

彼女はパティシエとなることが夢の一つだったようで、その夢をかなえるために女将修行を続けながら勉強され、今回晴れて「喜多八」の1階にカフェをオープンされたのです。

カフェの名前は「宿場町カフェ」。宿泊客でなくても利用できます。

ただ本業の旅館が忙しいときは営業していないこともあるので、インスタページなどで確認されてから行ったほうがいいかもしれません。

私が伺った日も営業していなかったのですが、この時の前もお休み。ネットでも休業の告知などされていなかったため、そのあたりを伝えたら、女将さんが出てこられて、「大丈夫ですよ」と快くオープンしてくださいました。ありがとうございます。
宿場町カフェ (3)

旅館のエントランスはモダンな感じに改装。
宿場町カフェ (4)

1階は昔の純和風の造りからは、まったく変わっていました。
宿場町カフェ (16)

こちらもモダンなインテリアで落ち着いた空間を演出。
宿場町カフェ (10)

小さなスペースですが九谷焼の人間国宝の作品が展示されていて、また、ちょうどお邪魔した時期は「喜多八」独自の「茶碗祭り」が開催されていました。
宿場町カフェ (8)

旅館のフロントのところで、オーダーして料金を支払ってからソファー席に座ります。
宿場町カフェ (12)

お客は我々だけだったので、了解を頂き写真を写しています。
宿場町カフェ (9)

奥のほうにはバーカウンターがあり、夜は宿泊客にアルコールの提供もされているのでしょう。
宿場町カフェ (6)

こちらがカフェメニュー。
宿場町カフェ (5)

パティシエの女将が作ったケーキが並んでいます。

私はめったに頼まないパフェの「あわづパフェ(1,300円)」を頼んでみました。
宿場町カフェ (17)

ソファー席で待っているとネコ型配膳ロボット「ベラボット」が運んできてくれます。このロボット、調べたら1台300万円以上しました!
宿場町カフェ (19)

こちらが「あわづパフェ」ですが、「喜多八」のウリの刺身の舟盛りの舟を模した専用の器が特徴で、その上にご覧の内容のパフェが鎮座しています。
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中にはたっぷりのイチゴが使われていて、生アクリームもほど良い甘さで良かったです。
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「あわづパフェ」には、あわづ温泉は「恋愛の聖地」として知られているので、「恋みくじ」まで添えられていました。
宿場町カフェ (21)

妻は「ラムレーズンケーキ(600円)」とホットコーヒーのセットで900円を頼んでいます。

カスタードクリームと泡立てた生クリームを合わせたディプロマットクリームが乗せられていて、ラムの風味が効いた大人のケーキでした。
宿場町カフェ (20)

ちなみにホットコーヒーはセルフですがお代わり自由。ソファーに座ってゆったりとした時間を過ごすことが出来ますね。

さて、温泉旅館を取り巻く状況は、コロナ禍を経て益々混迷するかもしれませんが、オリンピックに出たことがある女将の試みに拍手を贈りたいと思います。ご馳走様でした。

宿場町カフェ
石川県小松市井口町ヘ13
あわづ温泉 喜多八
TEL 0761-65-1821
11:00~14:00(L.O.13:30)
水曜休(不定休あり)、喜多八休館日(不定期)



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