発酵食品が人気になって久しいですが、日本で発酵食品といえば糀(こうじ)のパワーが欠かせません。
糀からは、清酒・味噌・醤油・甘酒・みりんなど、我々の食生活に欠かせない調味料が数多く作られて、それらを使って美味しい料理の数々が生み出されてきているのです。
この発酵食品ブームは、世の中の健康志向の高まりとともに起こったものだと思いますが、日本人は昔から大切にしてきた食文化とも密接に結びついています。
寒い地域の冬の間の一定期間保存がきく食品としても重宝され、北陸に住む私たちが栄養を補給するためにも大切なものであったと思います。
北陸地方では、冬の野菜の代表格である大根を使った「大根ずし」が家庭でよく食べられていましたし、いまも食卓にはよく登場すると思います。
同じようなものに、有名な「かぶらずし」がありますが、こちらは大根の代わりにかぶらを使っています。しかし、「かぶらずし」は値段的にも高く、贈答品として使われる食品として認知されています。福岡のめんたいこと同じですね。
昨年のシーズン初めのころは、このかぶらが不作のようで、ただでさえ高い「かぶらずし」がさらに高値になっていて、我々庶民の口には入らなくなっていたようです。
さて、今日の本題のお店「リード(REED)」は、能美市の根上総合文化会館「タント」の近くにある焼き肉屋さんです。
私もずいぶん前から知っていましたが、何せ焼き肉屋さんということで行く機会がありませんでした。
大きなお店で、このあたりでは人気のお店なのでしょう?
ここは、通常はランチ営業はしていないのですが、冬の期間だけ「能美糀づけ大根ずしラーメン」のみのメニューでランチ営業しています。
では、なぜ焼き肉屋さんが「能美糀づけ大根ずしラーメン」というラーメンをメニューに加えるようになったのか!?
それは、「能美・大根ずしラーメン研究会」というのがあって、能美市の広見製麺所、高橋糀店、そして「リード(REED)」の3つの異業種業者が中心となって、このラーメンの開発にこぎつけたのです。
このラーメンには色々なこだわりがあります。
小麦粉を使わず米粉で、つなぎに加賀丸いも入りを使った麺。またラーメンでは卵を使うことも多いのですが、それも使わず、いわゆるグルテンフリーな麺になっています。中太でモチッとした食感が特徴です。
スープは、鶏がらベースで醤油・かつお節・昆布の和風だし。澄んだ味です。
そしてトッピングとして、自家製の大根ずしが少し小さく切られた状態でそのまま乗せられています。
あと白髪ネギとユズも加わって、全体として調和のとれた味になっていました。確かに糀で旨みを増した大根ずしが加わることによって、スープの甘みもほんのり出て美味しかったです。何となく少し韓国料理のクッパのスープのような味です。焼肉店だからでしょうか?
そうそう!運ばれる時に「器が熱いので気を付けてください」と言われましたが、本当にグツグツ煮立った状態で出されました。大根ずしという冷たい食材を乗せるためにラーメンが冷めないための工夫なんですね。
これで770円は納得の値段です。あと、230円プラスすると残ったスープにご飯を入れてオジヤにしてくれます。私はラーメンだけでお腹がふくれたので頼みませんでした。
地産地消で作られる「能美糀づけ大根ずしラーメン」は、2月末まで提供される予定です。皆さんの是非一度食べに行ってみてください。
これを能美市のご当地グルメとして認定して、市内のラーメンを提供するお店でも出したらいいのでは?と思いました。ご馳走様でした。
リード(REED)
石川県能美市大成町2-82
TEL 0761-55-4552
ランチ11:30~14:00
※ランチは冬季限定
17:00~24:00(L.O 23:30)
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