先日紹介した建築家の木田さんのお花見にも来ていらっしゃった山下 一三(やました いちぞう)さんの工房兼住宅にお邪魔してきましたので紹介したいと思います。
場所は片山津温泉から、南に車で少し行ったところにあります。
工房の正式な名称は「磁器工房白象」。
磁器の生地の「白」い色と、お名前が一三(いちぞう)ということで、工房名に「白象」を使用しているとのこと。
山下さん、元々、この場所で生まれたそうですが、お父さまは九谷焼に携わっていたわけではなく普通の公務員だったようです。
外観は立派な日本建築そのものですが、細かいところになかなか凝っていて、山下さんのこだわりを随所に感じられる工房兼自宅でした。
駐車場の床面には、あえて足跡やムシロの跡がつけてあったり、家の内外部にも九谷焼の造形が埋め込まれています。見ているだけで楽しいです。

玄関をくぐり中に入ると、ご覧の九谷焼の置時計が置かれています。
玄関から入って右側にある客間でしょうか?そちらに通されて1時間半ほどじっくりとお話をお聞きすることが出来ました。
木田邸の花見の席では何度か話をしたことがあったのですが、今回、どうして九谷焼の世界に入ったのか。師事していた北出不二雄先生の工房に入るることになった経緯、作品へのこだわり、大切にされていることなど、色々お話をお聞きすることが出来ました。
客間には山下さんの作品が飾られています。何れの作品もユニークで温かみのある造形と色使いの九谷焼ですね。描かれている絵柄も普通とはちょっと違いますね!?
山下さんの作品は、一般的なうつわ類を作るときに使われる「ろくろ」を使用してつくるような九谷焼ではありません。
一から手びねりで生地をこねながら造形を創造していくのです。そんな作り方をしてるからでしょうか、いまにも動き出しそうな生き生きとした「かたち」です。
まったく同じものが二つとないというほどの、オリジナリティあふれる作風にファンの方も多いのです。
こちらの写真に写っているのは、一番左が水差し?その隣が一応花器です。
これは、日時計だそうです。発想が面白いです。

スマホスピーカーなんてのもありました。後ろに見えるのはキャンドルスタンドです。
出していただいたコーヒーのカップもユニークです。一見持ちにくそうに見えますが、指にフィットして持ちやすいですよ。
私は、こちらのボウル皿を買い求めました。

裏側はこんな形状になっています。一見安定が悪そうですが、座りはとてもいいですよ!
私もグルメブログをやっている関係上、食器については少なからず興味があります。
美味しい食事は、素敵なうつわに盛り付けるとさらに美味しく見えます。また、「用の美」というか、よく考えられた「かたち」は美味しさ以上に、こころの面でも充足感を与えてくれると思います。
山下さんの作品は、そんな「こころの充足感」を、手にする人に与えてくれるでしょう。
そうそう!息子さんは、地ビールのお店「Craft Beer Dive Futa's」を金沢で営業しています。
私も何度か伺ったことがありますが、お店には至ることでお父さまの力作を見ることが出来ます。
山下さん、色々なお話をお聞かせいただきありがとうございました。今後とも素晴らしい作品を生み出してください。そして、またどこかで、今度は一献傾けながらお話をさせてください。
磁器工房白象
石川県加賀市片山津町セ-88
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