お店の正式な名称は「Installation Table ENSO L'asymetrie du calme(インスタレーションテーブル エンソ ラシンメトリー ドゥ カルム)」。
とても一発では覚えられない長い店名です。^^; そのため普通は「エンソ」と呼んでいるようです。
しかし舌をかみそうな読みです。なぜこのような名前にしたのでしょうか?
お店の場所は、片町にもほど近いところですが、住宅街の中に入ったところにありちょっとわかりづらいです。お隣は天ぷらの小泉さん。
オーナーシェフの土井誠さんは欧州各国からのオファーを断って、金沢に店を構えたということです。
昨年オープンしてしばらくのときに行ったことがある妻が言うには、その時はサーブしてくれたのが東京から移ってきた男性スタッフだったそうですが、いまは女性のかたでした。
ランチは通常は6,000円です。ディナーコースは8,000円と12,000円(共に税込、サービス料10%は別途)という、地方のお店としてはちょっとお高い値段設定となっています。各コースともシェフのお任せコースのみです。
まぁ、ランチで6,000円という値段。私であれば鮨なら出すでしょうが、フレンチではランチに出すのには躊躇してしまう値段だったので、これまでは行くことがありませんでした。^^;
今回行くことにしたのは東京からの客人ご夫妻をお連れするということと、こちらのお店、1月13日で一周年を迎えたということで、その記念として期間限定で3,800円というランチコースが設定されたと聞いたからです。(笑い)
ちなみに3,800円の一周年記念ランチは2ヶ月間限定となっています(2月いっぱいまでか3月12日までの2ヶ月かは聞き忘れました)。
さて、店名に「インスタレーション」と付けられていますが、「インスタレーション」とは、Wikipediaには「絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における表現手法・ジャンルの一つ。ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術。」と書かれています。
つまりは「食事をする場」というものと料理そのものも含めて「料理をひとつの表現方法として空間すべてで提供」するレストランとしたかったようです。
お店は元洋裁学校だった古い建築だったところをリノベーションしています。コンセプトとして、家庭のキッチンをイメージして造ってもらったそうで、白を基調としたレトロでありながらモダンな空間になっていて、落ち着いて食事をすることが出来ます。
オープンキッチンで料理をしている様子が丸見えです。^^; シェフも緊張するでしょうね?
このキッチンにだいぶかかっているようです。
ところで、小松にも「SHOKUDO YArn」というイノベーティブ・フュージョンのお店があり、いま人気のお店になっています。
「SHOKUDO YArn」のオーナーシェフは、スペインの超有名3つ星レストラン「エル・ブジ(El Bulli)」(いまはすでに閉店しています)でも働いていたことがあります。こちらのお店も料理のエッセンスは、そのような感じがします。
この日、東京からの客人ご夫婦をお連れして、ランチのラストオーダー時間間近の13:25にお店に到着しました。
お店は事前に予約してありました。
3,800円の一周年記念ランチは基本、魚と肉のフルコースになっていますが、私は肉が苦手なのであらかじめ伝えてあったら、一部変更してくれました。(予約のときは少し値段がアップすると伝えられていましたがレシートを見る限りは追加料金はありませんでした)
結論を先に書けば、3,800円の一周年記念ランチはとてもよかったです。
私は、今回が初めて訪れましたが、一度行ったことがある妻は、通常のランチ6,000円はもっと凄い!と言っていたので、これでやっと通常のランチコースが6,000円という価格設定も納得できました。
通常のコースの場合は、よりアートの様に表現された形で供されますが、3,800円の一周年記念ランチの場合は、それほどではありませんでした。
写真は、前に妻が行った時に写してきたものです。
見せ方も驚きの連続だったようです。
こちらはお店のウリの料理の一つで「チキンスキン」。
リボンのついた木箱の中身は、ドライに仕立てた鶏皮に二種のチョコレートをのせてあります。ダークチョコレートにはレバー、ホワイトチョコレートにはニンニクの風味を付けてあるようです。ちなみに、こちらのは今回紹介するコースには入っていません。
では出されたものを順番に紹介していきます。ただし、ランチながら相当飲んでしまったのと、遠来のかたとの話が弾んでしまって、あまり料理の説明を覚えていません。不確かな情報もあるかと思いますがお許しください。
今回、東京からのお客さんのリクエストもあり、最初にシャンパンを頼みます。
頼んだのはアンリ・ジローの「エスプリ・ナチュール」。
「ナチュール」はヴァン・ナチュール(自然派ワイン)ではなく、自然と共存しシャンパーニュ造りに取り組むという信条を表しているようです。
写真がへたくそでわかりませんが、色はきれいなシャンパンゴールド。フレッシュでフルーティ。さすがに美味しかったですね。
まずオードブルの前にアミューズブーシュとして出されたのは一品目は、エクレアにビーツのクリームを挟んであります。
二品目として、ホタルイカが乗せられたほうれん草のムース?と、えんどう豆の小さなスープ。
三品目は海老芋をテリーヌ仕立てにしています。
この時点でシャンパンはすでに空いてしまいました。^^;
白ワインを頼みますが、お店のグラスワインで富山県氷見の「SAYS FARM(セイズファーム)」というワイナリーでつくられているシャルドネ(2015)です。
こちらのお店、当然のことかもしれませんがワインの種類も豊富で、国産、特に北陸のワインを多くそろえていました。
ちなみに、器も、金沢の独自のモノづくりを展開するユニット「secca」の柳井友一さんはじめ、地元の作家に作ってもらったものがほとんどで、お店の料理とコンセプトに合った品々が使われています。
そして、やっと「本日の前菜」です。こちらは3種類の中からチョイスできました。
私は「ししゃも」です。まったく日本的な食材ですが、どのような料理が出てくるか楽しみにしていましたが、このようなカダイフ巻きに仕上げてありました。
フランスでは「天使の髪」とも呼ばれる料理法で、サクッとした食感の衣の中にジューシーなししゃもが隠れています。
中はこんな感じです。
フォアグラは妻がチョイス。ピスタチオのフレークにブルーベリーのソース。ボリュームがありました。
東京の方々はカニです。真丈風のコンソメスープ仕立てになっていました。
「旬鮮魚」はなんだっただろう……?忘れました。^^;
だいこんの花?が乗せられ、少しからしのきいたソース。美味しかったです。
本日の肉料理は「牛ハラミ」か「イノシシ」をチョイスできました。
私以外全員が「牛ハラミ」を頼みます。私は食べていないのでわかりませんが、ソースは香り高かったようです。
私の方は、タラの白子、上には生のマシュルームが乗せられています。
私を除く3名はワインは当然赤に移ります。
白と同じく「SAYS FARM(セイズファーム)」のメルローです。
こちたは信州のワイナリー「ファンキー・シャトー」。
パンは2種類出されます。
こちらはポービリア?アオサが練りこまれたものです。モチッとして美味しかったです。
料理を食べ終わったあとで出されたデセールは、冷たく冷やされた石の器の上に乗せられて出されました。みかんとオレンジを交配したタンゴール、愛媛の「媛まどんな」を使った一品です。
飲み物は、コーヒー、紅茶、エスプレッソからチョイスでき、私はエスプレッソをお願いしました。
最後にちゃんとプティフールも出されます。カヌレとフィナンシェ、それとクッキーでしょうか?乗せられている
いや、これだけ飲み食いしたら満腹になりました。^^;
最初、3,800円という通常のコースよりもだいぶ安いので、これほどの内容とボリュームの料理が出されるとは思ってもいなかったので、少し驚きました。ここまでくると料理はアートですね。ワインとのマリアージュも楽しめました。
一周年というアニバーサリーな限定メニューということでしょうが、お店の方の感謝の気持ちが表れた素晴らしいランチでした。ご馳走様でした。
Installation Table ENSO L'asymetrie du calme
インスタレーションテーブル エンソ ラシンメトリー ドゥ カルム
石川県金沢市池田町4番丁33
TEL 076-208-4052
11:30~13:30
18:00~21:00
月曜休、不定休
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