石川県は戦災や大きな震災にあっていないので昔ながらの町家(町屋)が多く残っていることで知られています。
特に金沢市では多く見ることができます。
そこで金沢市ではその景観保護と価値保存にむけて「金澤町家の保全及び活用の推進に関する条例」に基づき、金澤町家保全活用推進基本方針を出して、町家の保全に努めているのです。
町家(町屋)は住居として使用することはもちろんですが、リノベーションして飲食店に変わっているところも多くあります。今日紹介する金沢駅にも近い「金沢町屋 はっち」も、そんな町屋を粋なイタリアンレストランにしたお店です。
内装は「和モダン」?お店のコンセプトにも合致している空間です。
落ち着いた感じですが明るくカジュアルにまとめられていて、家具類もゆったりとくつろいで飲食が出来るようなものでした。

ライトアップされた中庭には小さいながらも日本庭園。雪吊りも見られました。

これは和紙の堀下さんという作家さんの「和紙あかり」です。
さて、オーナーシェフの日南さんは加賀市山代温泉の近くのお生まれ。イル・ガッピアーノ&コルサロの金山さんのところでも一時働いていらっしゃったようです。
最初は小松近辺でお店を出そうとして物件を探したそうですが、なかなか条件が合わずに断念。そしてこの金沢駅の近くで作りたいイメージに適した町屋を見つけて今に至っています。
金沢駅から歩いて5分程度で着けるので便利な場所だと思います。

そういえば、小松での物件探しのときがご縁となって、いまお店で使われている食器類は小松の宮本泰山堂で揃えられたと話しておられました。
また、加賀市出身ということで食材も加賀のものを使うことも多く、魚介の仕入れは橋立港で水揚げされたものを直接仕入れているそうです。
お米は「加賀ティール」というコシヒカリの品種を無農薬栽培している加賀の農家。菌床しいたけは小松市滝ヶ原から仕入れていました。
これらは実際に日南さんがアルバイトしたりお会いしたりしたところと契約しているようです。生産者の顔が見えているから食材の良さや特徴をわかって調理できるのでしょうね?
そんな器類や食材を使ってのイタリア料理は、和食の技法も取り入れてのものになっています。

まずはスパークリングで乾杯!「ガンチア・プロセッコ・スプマンテ」のミニボトルです。
お通しは、車海老。お通しとしては珍しいです。
あわせて最初の料理として「はっち 前菜盛合せ(1,380円)」を頼みます。はっちのエッセンスが詰まっているようです。
橋立港直送の真鯛とハチメ(だったかな?)のカルパッチョ仕立てや、イタリアのハム「モルタデッラ」、生ハムとモルタデッラのスライス、前述の加賀の農家のブロッコリー、パン屋たねさんのドライフルーツパンなどをちりばめた素敵な前菜でした。
サラダは「旬のいろいろ野菜サラダ 自家製ドレッシング(880円)」。本当に色々な野菜が宝石箱のように散りばめられています。
こちらはお店おすすめの「はっち春雨」。とても太い春雨です。初めてこのような太い春雨を食べましたが、もちもちで存在感ありまくりです。(笑い)

とても美味しくビールに合いそうですが、我々は日本酒をここで1合頼みました。
この後、この日能登産の牡蠣が入ったということをお聞きし、少しご無理をお願いして、牡蠣を使って温製の料理を一品作っていただきました。
パスタのメニューに「梅貝とフレッシュトマトのオイルソーススパゲッティ」というのがあって、そちらのスパゲッティ抜きのアレンジのようです。

もちろん、お酒は白ワインです。
最後は「能登豚のラグーソース パッパルデッレ(1,380円)」で締めます。
このめちゃめちゃ幅広のパスタはパン屋たねさんの手打ちパスタを使っているということです。たねさんはパスタまで作るようになったんですね。
能登豚もミンチかと思ったら思いっきりぶつ切りでした。^^; これは「食べたな~!」ってな気のするパスタでしたね。(笑い)

締めはもちろん赤ワインです。
以上、なかなか個性あふれこだわりの料理を、雰囲気のある空間で楽しめて、2人で締めて11,000円強。コスパ的にも良かったです。再訪したくなる一軒でした。ご馳走様でした。
金沢町屋 はっち
石川県金沢市本町2-18-26
TEL 076-254-5686
18:00~23:00(L.O.22:00)
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