秋本番です。芸術の秋なので、東京で話題の2館に行ってきました。
国立西洋美術館 (4)

まずは、今年世界文化遺産に登録された「国立西洋美術館」です。

まぁ、「国立西洋美術館」については、皆さんもよくご存じなので詳しくは書きませんが、建築の世界では超有名な方、フランスのル・コルビュジエが設計したことでも知られています。

今回の世界文化遺産登録も、このル・コルビュジエが設計した建築が対象となっているほどです。

大昔に一度は行ったことがあるのですが、本当に久しぶりです。^^;

フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」として知られていますが、建築についてはかじった程度なので、あまり述べることはできません。ル・コルビュジエはモダニズム建築として素晴らしい業績を残していますが、個人的にはフランク・ロイド・ライトが好きです。^^;

さて、世界文化遺産登録後、「国立西洋美術館」は人気沸騰のようです。

私たちが行った11月の平日も多くの人で賑わっていました。というか、この周辺って平日でもこんな混んでいるの?ってな感じで、芸術の秋だったからかもしれませんが、東京の人の多さ・底力を実感しました。

入館料は常設展のみ鑑賞する場合は、430円という超お得な設定。さらには毎月の第2、第4土曜日、文化の日(11月3日)も大人まで無料という太っ腹!国立だからでしょうが、こんなにいい美術館が東京に集中しているのは、本当に不公平だと感じました。

ちなみに、いま企画展もやっていまして、こんなのでした。
国立西洋美術館 (3)

[企画展示室] クラーナハ展―500年後の誘惑
2016年10月15日(土)~2017年1月15日(日)

こちらは入場料1,600円もかかります。ということで我々は時間の関係もあり常設展のみを観ることに。

国立の美術館の素晴らしいところはもう一つあります。それは館内の写真撮影が一部作品を除いてokなことです。
国立西洋美術館 (47)

前庭にも有名な彫刻がいくつか展示されています。こちらは、むかし教科書などでも載っていたロダン作「カレーの市民」。「カレーの市民」というと私の場合は「アルバのカレー」を思い出すのはおかしいでしょうか?^^;
国立西洋美術館 (45)

こちらも超有名作品。ロダン作「考える人」。何を考えているのでしょうか?^^;

玄関には、ル・コルビュジェがピエール・ジャンヌレと一緒に提唱した近代建築の5原則「ピロティ・屋上庭園・自由な平面・自由な立面・連続水平窓」の一つである、ピロティ構造を見ることが出来ます。いまでは当たり前になった構造も、ル・コルビュジェが提唱するまではそうではなかったのですね。
国立西洋美術館 (51)

出口付近のロビーにはコルビュジェデザインの家具なども置かれています。
国立西洋美術館 (27)

建屋の基本寸法は、モデュロール(Modulor)というル・コルビュジエが考案し提唱した尺度体系で造られています。あまり建築的なことは対象ではないブログなので詳しくは書きませんが、これはこれで凄いことらしいです。
国立西洋美術館 (15)

中に入ると、最初の展示室には、ご覧の大きなトップライトがあり、自然の光が展示場を照らしています。
国立西洋美術館 (17)

そこには今回の世界文化遺産登録についての案内と、数店の彫刻があります。そして緩やかなスロープをのぼって中の方に入っていきます。

ルノワールや
国立西洋美術館 (38)

ピカソ
国立西洋美術館 (41)

モネの睡蓮などの超有名作品も堪能することが出来ます。
国立西洋美術館 (28)

フェルメールもありました。

展示室の構造も、一部屋一部屋に変化があり、多様性に富んでいて、建築を見ているだけで楽しくなります。
国立西洋美術館 (16)

世界文化遺産登録建築物と超有名なアート作品、両方を一度に楽しむことが出来る「国立西洋美術館」。超お勧めですね。

国立西洋美術館の開館時間や料金などの案内についてはこちらをご覧ください

お次は、「国立近代美術館」と「国立近代美術館工芸館」について。

私が、こちらを紹介するきっかけは、今年「国立近代美術館工芸館」が、地方創生政策の一環で、2020年の東京オリンピック開催時期をめどに、金沢市に移転することに決まったからです。

もし実現すれば、国立の美術館としては日本海側で初めてとなります。

石川県は工芸分野の人間国宝が東京や京都とならぶ人数が居て、人口比でみると,石川県が7.76人(2015年)で,東京・京都を大きく上回ってトップの位置を占めています。全国平均は0.46人ですから、その突出ぶりがわかるというものです。

実は、私は大体、他の国立の美術館や博物館はほぼ行ったのですが、「国立近代美術館」と「国立近代美術館工芸館」に行くのは今回が初めてなのです。

今回、一緒に行った妻が他の用事で一人となった時間を利用して、見学およびブログネタの取材を兼ねて行ってきました。
国立近代美術館

まずは、本館のほうに入ります。こちらのほうも常設展のみであれば430円。「国立近代美術館工芸館」を含めてみても550円という超お得な設定になっています。むちろん無料の日の設定もあります。
国立近代美術館 (6)

こちらも所蔵作品は多く、見ごたえがありました。
国立近代美術館 (14)

明治維新以降、または1910年代以降の美術品を対象にしているこの美術館では、ピカソをはじめ有名な作家の作品のみならず、現在活躍されている作家の作品展示なども行われていました。
国立近代美術館 (11)

これは今年文化勲章を受賞された草間彌生さんの作品です。水玉模様が有名ですが、この絵もよく見ると小さな水玉模様が表現されています。赤や黄などの原色系の色を多用していますね。
国立近代美術館 (10)

小松市出身の宮本三郎氏の絵もありました。
工芸館 (3)

その足で、ここから700mほど離れている「国立近代美術館工芸館」に移動します。
工芸館 (2)

1910年(明治43年)に建設された帝国陸軍の近衛師団司令部庁舎を改修して利用しています。建物は重要文化財に指定されています。

今回、金沢市に移転するのは、この建物は別で、機能と展示物(全部ではないかもしれません)となっています。

明治以降今日までの日本と外国の工芸及びデザイン作品。収集作品は特に戦後の作品に重点がおかれているようです。なかでも、人間国宝の工芸家の作品については、極めて充実していて、本当に石川県に移転するのが待ち遠しいです。
工芸館

私が行った時は、ちょうど「革新の工芸 ―“伝統と前衛”、そして現代ー」という企画展をやっていました。

展示室は2階のみとなっています。

今回は主に今、活躍されている作家の作品が中心の展示でした。

ちなみに「国立近代美術館工芸館」では常設展という展示エリアがなく、そのため、約3300点あるといわれている所蔵品は、ほとんどすべてお蔵の中ということになります。^^;

何とももったいないことです。

本当は石川県に在住または、ゆかりがある作家さんの作品も見たかったのですが……。

金沢に移転の際は、建物も広くなる予定です。早く移転が実現してほしいです。そして、ぜひ、常設展示のスペースを多く取っていただき石川県の工芸の多様性を見せていただきたいものです。

東京国立近代美術館工芸館
革新の工芸 ―“伝統と前衛”、そして現代ー
2016年9月17日(土)~12月4日(日)
0:00~17:00
※入館時間は閉館30分前まで
月曜休館
一般550円
大学生350円

気に入っていただけたらブログランキングをクリックしてください。
人気ブログランキング